『フレッシュプリキュア!』漫画版第6話の素晴らしさ(追記あり)

今日は何故か大真面目にプリキュアの話です。
たまには自分メモがてらきちんとストーリー考察もしてみようかと思います。









自分でもちょっとキモいから興味ない人はスルーした方がいいぞ!
あと「お前漫画ツマンネーくせに脚本とか偉そうに語ってんじゃねぇよ!」ってのもナシね!
傷つくから!
あくまで自分の作品の為の分析としてですよ。ここから先は僕が漫画家だって事は無視して下さい。
あとはいちプリキュアファンとしての。(あんな漫画描いてるぐらいだしね)












とりあえずアニメの方
第23話の『イースの最期!キュアパッション誕生!』、ネットでは概ね高評価だけどやっぱり何回見ても若干消化不良な感じがする。
というのも僕はプリキュアマニアのキュアしめじさんに猛プッシュされたなかよしの漫画版(今月号)を読んでるからで…
流れはほぼ同じなんだけど展開が微妙に違ってて、あの漫画版を読んじゃうと物足りないよやっぱ!




内容を知らない人の為にとりあえず僕の漫画を用いてわかりやすく説明すると

『友達だと思ってた牛野さんがビーフネスだった事がついにバレた!』っていう回です。
どうですわかりやすいでしょう。なんか設定被ってるけど僕の方が先ですからね。

















とにかくイースの『お前がうらやましかった!』のシーンに感じる違和感。


展開的にも今まで溜め込んだカタルシス的にもそりゃあ当然盛り上がりますよ。
しかもここから四人目のプリキュアに!?っていう序盤のヤマ場。

ただ、イースって今までのラブとの友情シーンも徹底的に理解は示さなかったわけじゃないですか。
「なんなんだこいつは…?」っていう戸惑いの台詞はあったけど
やっぱり一歩踏み込んだ人間らしい感情は一度も出てこなかったわけだし。












管理された組織っていう設定的にも「うらやましい」とかいう感情自体が生まれづらい(生まれない)キャラな気がするんですよね。



というかそもそもその友情っていうのも最初からほぼラブの一方的な思い込みみたいな描かれ方だし。
実はすごい空虚。ラブはそれに全然気づかないし。


「志村、後ろー!」ノリっていうか。


「志村、後ろー!」の魅力って、後ろにいかにヤバイ物がいるかじゃなく
『後ろがヤバいのにそれに大して志村がいかに呑気であるか。』
っていうギャップの部分ですよね。


でも本当に「志村、後ろー!」を成立させるにはせつな(=イース)はちょっとドライ過ぎるし、
例えば『後ろにあんなヤバい物が迫ってるのに、ここまで(本来存在しないはずの)友情の為に自分の身を犠牲にして助けてくれるなんて…!』
的にイースが本当にもっと心を揺さぶられるぐらいのシーンがあったらまた違うと思うんですけどね。
志村が。
あ、違ったラブがね。













…話がドリフにズレました。

この違和感、何に一番ちかいかって言うとアレだ。
イチローWBCでのほぼイキかけました発言。

もうちょっとストイックなキャラじゃなかったっけ!?っていう。















まぁ、とにかくラブは志村でいいんですよ。

周りがびっくりするぐらい後ろに気づかなくていい。
周りがびっくりするぐらい愚直に友達を信じてていい。

不器用で融通が利かなくて、でも周りからすると価値の無い何かを愚直に信じれるから物語の主人公になれるんです。












だからバトルで「ラビリンスを辞めさせてみせる!」っていきなり殴り合い、少年漫画的に地面に倒れて
「心が清清しい」「心が伝わったよ」って言われてもエーーーーーッ…ってなっちゃう。

確かに熱い。熱いけど…熱いのは雰囲気だ。
なんか大事な部分のわだかまりが解けてない気がする。














そこで上北ふたご先生の漫画版の展開。



























唯一信じていたメビウス様に見捨てられ、イースは自暴自棄に。

ラブはそんなイース殴れない。












そして…
















































愚直なまでに友達を信じる主人公。

もはや何もなくなったイースに、最初はなかったはずの気持ち(友情かどうかはわからない)が実は存在した。
(漫画版では例のイースの台詞は「お前が…」までしかない。)
そしてイースとの間に新たに生まれる(今度こそ本当の)友情。


自分にはもう何にもなくなったはずが、その、存在しなかった、自分にとっては空虚だったはずのものに最終的に救われるっていう。









こうなるとあの積もりに積もった空虚感も納得が行く。
国は敗れても山河があったっていう構造。
この場合の山河はラブね。

山河は雄大だから最初から全くブレない。
主人公はいつだって雄大な山河なんですよ。悟空だってキン肉マンだって、ルフィだってそう。



イースが全てを失って初めて山河の雄大さを知るわけです。



何も知らないイースが尾根をハイヒールで歩いちゃったりなんかして、登山家のオッサンなんかに
「ハハハ!そんな格好で山は登れねぇぞ姉ちゃん!」って笑われる…みたいなね。
「えっ?山ってコンセントないの!?」「バーカおめえそんな事もしらねーのかよ、これだから都会っ子はよ…」とか!
そういう初々しさ、不器用さがこれからもっともっと観たいんですよ。

…しかし何だこのわかりづらい例え。










さっきのクライマックスは思わず超人タッグトーナメントのはぐれ悪魔超人コンビ・サンシャインの
『悪魔にだって友情はあるんだー!!!』を思い出して熱くなりました。
「あ、そうか悪魔にだって友情はあるんだ…」っていうあの新鮮な気持ち。



そしてその直後、伝説のアシュラマン三面泣きじゃないけど、次ページでいきなりばたっとイースは死にます。
(そこもアニメ版の「死ぬ」っていうハッキリした前フリがないので凄いインパクト。)

















とにかくこの熱い展開がアニメでも見れると思ったのに微妙に違ったんですよー。

「漫画との違いを楽しめ」って言われるかもしれないけど、この代わりになる程の何かがなかった。
イースはすごくいいキャラだし、あれだけ引っ張ったのに。
あんな辛い目にあった割に心がフォローされ切れてないっていうか。



プリキュアになった事自体が幸せなんだよ」
「友達である事が幸せなんだよ」
「これから先の人生で幸せが待ってるんだよ」

とか必要以上に作品を汲み取った意見を言われるとどうしようもないので、
僕が言ってるのはこの第23話のシーンの中でのカタルシスの量の話ね。


















でもプリキュアとして復活はしたけどまだまだラブ達と打ち解けずに悩みは抱え続けるようだし、
今後こういう部分ももっとスゲーいい方法で解決されて
もしかしたら僕のただの早とちり…「あいつ、さぶいヤツだったね」みたいに
なるような気もします。そのときは勘弁な!


ただ、イースのああいう心の変化もなしに数週後にはサラッと今までと全く同じノリで
「私達、友達だよね!」「うん」ってなったら「ギャフン!!」って言います。僕が。



















あと「子供向けアニメだし、これぐらいの方がいいんじゃない?」っていう意見もあるだろうけど、
ふたりはプリキュアでもこれぐらいのハードなシーンは全然あったし、
ちょっと種類が違うけどおじゃ魔女どれみでもあった。
おじゃ魔女ってポップなイメージだけど登校拒否の女の子が学校が嫌で溝にゲロ吐いてたりしてたよ。
あと黒人差別とか。僕もびっくりしたけど。



それに「どれみと魔女をやめた魔女」っていう有名な回があって。
その回を好きなマニア達が集まってそこだけを特集した250Pもの同人誌を作って!(ハンパない)
それだけだと世間的には「へぇ〜、オタクってすごいね〜」だけど
その回の監督っていうのが今やあの時をかける少女」の細田守監督。


デジモンとかおじゃ魔女とか、子供向けアニメで頑張って評価された人です。
「子供向けだから」がポジティブな意味じゃなく何かのフォロー的な意味で使われる空気は何か嫌だな〜。
















あと、何故か上北ふたご先生のプリキュアの漫画は単行本化されないので、
なるべく多くの人の目に触れて欲しいのと応援の意味も込めて一部を画像UPしちゃってます。すいません。
何か問題があったらすぐに消します。

とにかく何が言いたいかって言うと、『こんなにも面白い上北ふたご先生のプリキュアの漫画、単行本化してよ講談社〜!!』

追記。結論!!!『フレッシュプリキュア!』漫画版第6話の素晴らしさ


最終的にアニメ版と漫画版の何が明確に違うかというと、
漫画版ではイースの葛藤を通して最終的にラブっていうキャラクターの魅力を描いているという事だと思います。

衝撃的な事実を知りながら、殴られながらも友達であるイース(せつな)の全てを受け入れられる器量の大きさを魅せているというか。




漫画版を見ると、アニメ版ではクライマックスである「イースの気持ちの独白部分」は起承転結で言うとまだ『転』の部分でしかない。
むしろ漫画版ではそこからのラブの踏み込みに比重を置いて描かれているような気もします(想像だけど)

こうなると『うわ〜ん!!どっちもいい奴だよ〜!』って余計に感動するんだと思います。
言うなればミッチーと安西先生のようなもんです。




あと、ふたご先生の何が凄いってこれだけの物を11Pの漫画に収めれる技術だと思います。